絆が深まる 能力を引き出す介助術
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こんにちは、プラトーの郷家です。
今回から絆が深まる介助術をシリーズでお伝えしたいと思います。
一般的な介助は介助する人が介助される人を動かすと思いますが、ひとつ方法を間違えれば、介助する人が腰痛、膝痛になったりすることがあります。
また介助される人も、痛みや恐怖を感じ介助拒否につながり、それが能力を低下させることにつながっていきます。
今回ご紹介する介助術を使うと、介助する人の負担が減り、介助される人も安心して自分の能力を使うことで身体機能が維持することができます。
運動能力だけではありません。脳が動き、内臓も動き、体のあらゆる部分が活性化され、能力の維持につながっていきます。
またその関係が継続することでお互いの信頼感が増し、お互いの介護に対するストレスも抑えられます。
お互いの関係が太い信頼で結びつくような介助を「能力を引き出す介助」呼ばせてもらいます。
今回から数回にわたって、介助する前にまず知っておきたいことを学んでいきましょう。
介助する人が、自分の体にも介助される人にも負担や不安を与えないために、適切な介助を行うために、まず知っておきたいことを紹介していきます。
介助は長く行なっていくことが多いので、正しい考え方を覚えて、繰り返し練習や実践を行い、体で覚えることが大切です。
ところで「介護」と「介助」って何が違うの?と思った方おられませんか?
言葉の意味になりますが、その違いをご紹介します
介護は「日常生活の自立を目指す行為」
介護は、単独で日常生活を送ることが困難な人に対し、生きていくために必要な生活全般を支援し、自立を目指す行為を指します。
身体介助だけでなく精神面の援助も行うため、生活の質向上を目的としており、日常生活を意味するADL(Activities of Daily Living)を支援するためのものです。
介護分野においてサポート事業が整備されるようになり、介護の目的そのものが体の世話をするということから変化しました。
要介護者が自立して快適に生活できるように、生活の質向上を目指す主旨へ転換したことで、体だけでなく精神面のサポートも重要視されるようになっています。
介助は「日常生活をサポートする行為
介助は、介護を実現するための手段であり、日常生活をサポートする「行為そのもの」を指します。食事や入浴、排泄の手助けを行うなど「介助行為」を指す点で、介護とは意味が異なります。
介助にはサポートを行う場面の違いによってさまざまな種類があり、必要に応じて適切に行うことが求められます。
ここでは「介助」についての説明を行います
どんな時に介助が必要?
介助が必要になるきっかけは、「障害」・「加齢」・「認知症」など様々です。
いざ介助が必要になった時に、必要な生活と向き合うために「なんとかしよう」と思っても、どうしたらいいか戸惑います。
大切なのは、介助する側も介助される側もお互いがストレスにならず、体への負担の少ない生活を送ることです。
そのために、適切な介助方法を覚えることが重要です。
力任せの介助はダメ
なんとかしようと思い、ただやみくもに力を入れて介助をしようとすると、介助する側、介助される側両方に痛みや苦痛を生じることになります。
できる限り介助する方が、「介助される側の力を引き出す」ようにしましょう。
介助される人を対等な存在として尊重し、一人一人能力に合わせた丁寧な介助によって、介助される人の力を引き出すことができます。
そうすることで介助する人の負担が減り、腰や膝を悪くするなどがなくなり、介助に対するストレスがなくなっていきます。
これから紹介していく介助は、マヒのある人、筋肉のない人、認知症の人、耳の遠い人、言葉の不自由な人でも、全ての人に使うことができます。
一方的に介助するしかないと思われている人へも使うことができます。
どんな人でも、その人の持っている感覚に働きかけ、持っている力を引き出すことができるからです。
能力を引き出す介助のメリット
その1 最小限の力でできる
介助する人の力だけで介助する人を動かすのではなく、介助される人にも動いてもらうので、介助する人は必要最小限の介助をします。
その2 安全
介助される人の動きを感じながらそれにあえわせて介助するので安全です。お互いの力がちぐはぐになるとバランスを崩して腰を痛めたり、転倒等の事故が起こります。
その3 痛みや拒否がない
介助する人の都合で介助する方法は、介助される人の動きが制限されるので、痛み・不安・恐怖・拒否が現れます。
介助される人が、一度その感覚を体験すると、介助する人への信頼感がなくなり、さらに痛み・不安・恐怖・拒否の悪循環が生まれてしまいます。
持ち方、触れ方、動き方の伝え方、声かけを丁寧な介助は「痛くない」「怖くない」「受容する」介助です。
その4 残存能力の維持が可能
質のよい介助であれば、介助される人の機能を維持していくことは難しいことではありません。
これまで使われていなかった能力を引き出すことができると同時に、加齢や症状の進行で仕方ないとされえていた能力の低下を防ぐことができます。
今回は能力を引き出す介助の考え方やメリットについて説明しました。
次回は介助される人が介助を必要になった原因である病気や症状などをご紹介します。